ロシアで暮らすことになったハリネズミ
ノン・フィクション冒険日記です
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ブログを読んでくださった方々へ
 シナモンがいなくなって早一年になろうとしています。
きちんと自分のブログを締めくくらなければと思いながらも
なかなか向き合うことができず、気持ちを処理するのに時間がかかってしまいました。


その後、私は本田選手よりも一足先にモスクワを離れました。
新天地は近所の池にビーバー親子がいて、時折庭先にリスが遊びに来ます。
ここにシナモンを連れてくるのは正直厳しかったから
きちんと最期まで面倒を見れてよかったんだ、と思えるようになりました。

・・・が、

頭と心が同じように働かなくて
どうして私も一緒に連れて行ってくれなかったんだと酒におぼれる日もありました。
一年が経とうとしてるのに『あ!コオロギとかしてない!!』と
未だ夜中に目覚める日もあります。

ある日、ふと立ち寄ったペットショップで出会い、
後先考えずに『このシナモン(色)ください!』と店員さんに伝えたとき
(あ、この子の名前はシナモンだ)と直感しました。
私の人生に一筋の光をもたらしたシナモンは
唯一無二の、最高のパートナーでした。


このブログを読んでくださった方々、
みかんとタン塩が好きだから『ミカたん』という名前にしようと軽い気持ちで始めたもので
なかなか更新しない気まぐれにお付き合いくださり本当に有難うございました。






7月18日木曜日
気付いたら朝だった。ヤバイ!と焦って起きる。不覚にも爆睡していた。
「シナモン!」と声を掛けると反応する。生きててよかった。
コオロギを口元に持っていくが、食べたくないと顔をそむける。
耳の中が黄緑色をしていた。ついに病魔は頭までやってきたのだ。
もう本当にヤバいんじゃないかと思う。
今日は午前中で家に帰れるから、それまで頑張ってほしいと思った。

私はいつも朝ドラのあまちゃんを見ながら用意をし、終わる頃に家を出る。
この日も同じだった。
何も変わらない、いつもと同じようにあまちゃんのオープニングが流れてきた。
シナモンをケージに入れる。あれ?と、違和感を覚える。
動きがなんとなくぎこちないように思えた。
「しーちゃん」と声を掛けると、目を動かし私を見た。
「ごめんね、準備するからね」といって私はいつものように出かける用意をし始めた。

あまちゃんが終わり、ふとシナモンに目を向けると針が立っていた。
おかしい、この子は針を立てる子じゃないのに。
急いで駆け寄ると動かなくなったシナモンがいた。
体はまだ温かく、お腹に手を置いたら心臓が動いてる気がした。
夢中で「シナモン!」と叫んだ。まだ間に合う、意識が戻るかもしれない。
だけど手に感じるのは自分の脈拍だとわかった。
口から少量の血を流し、何かを威嚇するように亡くなった。
もしかしたら迎えに来たものを追い払おうとしたのかもしれない。
7月18日午前8時9分でした。



午後、シナモンをペット霊園に連れて行く。
火葬、土葬、納骨、骨壺・・・知る必要もなかったロシア語だったのに。
ここにシナモンの墓をつくろうかと考えたが、やめた。日本に連れて帰ろう。
一番小さな骨壺を買い、コオロギも一緒にお願いしますと、シナモンを預けた。
戻ってきたシナモンは白と黒の粉になっていた。

夏の青空が広がる、とても暑い日のことだった。





5日目
7月14日日曜、異変から5日目

朝、シナモンと呼ぶと反応する。
コオロギ一匹を口元に持っていくと食べようとするがうまく飲み込めないようだ。
歯を確認する。特に異常は見当たらず以前と同じきれいな歯だ。
体が汚れていたのできれいにする。
出来物が左前脚付け根、しっぽのあたり、右前脚関節あたりに新しくできている。
増えるスピードが速い。これはリンパ系腫瘍だろうか。
内臓あたりに腫れは見当たらない。
夜、体が汚れていたのでまたきれいにする。さらに出来物は増えていた。
その後コオロギを一匹食べる。二匹目はいらないと吐き出し、床にふせた。



7月15日月曜、異変から6日目

朝、体が汚れていたのできれいにする。また出来物が増えていた。
体のラインに沿って出来物ができる。
ひとつだけのもの、連なって塊になっているもの様々だ。
喉のあたりにニキビのような小さな小さな赤い出来物があった。
ついにここまできたのか。まだ頭は侵さないでほしいと願う。
心臓の上あたりにある一番大きい出来物が少し変わった。
ニキビの白い芯が出ていたところが今は黒い色になっている。
抱き上げると昨日よりも軽い。体力が落ちている様子が手にとってわかる。
体内の青緑色が少し減った気がするが気のせいだろうか。
自然治癒していると思いたい。




7月16日火曜、異変から7日目

朝、体をきれいにする。また出来物が増えている。
今度は右脇腹の針と白い毛の境目に大きなものが3つ。
臓器のあたりだけが青緑色だったのに、今朝は顔や顎、全体に広がっている。
死期が迫っている。
だけど、コオロギ1匹食べてくれてホッとする。
尿の中に血?がまじっているのか。
排泄したところ(尿・糞)に薄いピンク色がついている気がした。



7月17日水曜、 異変から8日目

もう目に力がない。
時々寝返りを打ち、時々場所を移動する。
後ろ足はほとんど機能しておらず、体をずりながら動く。
もしかして足が壊死しているんじゃないかと思いさわったら
まだ温かくて安心する。
そして今朝のおしっこは黄色に近い、黄緑色だった!!!!!!

夜、餌を口にしようとしない。
そして、薄い色で確信が持てないが糞に血が混じっているようだ。




お断り
このブログはシナモンの症状を書いていきますが写真を掲載する予定はありません。
苦しんでいるシナモンをネット上に晒すことができないからです。
ではなぜブログを書いているのか、と不愉快に思う方もいらっしゃるかもしれません。
矛盾してます。大いに矛盾してるのはわかってます。
でも、私のこの胸の内を明かす場がここしかないのです。
四六時中シナモンのそばに居たいけど、それは叶わぬ願いであり、
実はこのまま自然治癒で病気を治せるんじゃないかと思う一方で、
体力が落ち、骨と皮だけでなんとか生きているシナモンを見ると絶望に陥る。
毎日涙が止まらない。


シナモンは一般的なハリネズミより犬の体質に近い。
まず、家に帰ると寝床から出てきて挨拶をしてくれる。
そのあとケージから出すのだが、いつも私の後を追いまわしていた。
キッチンに立っていると必ず足元にシナモンがいた。
テレビを見るとき、パソコンに向かっているとき、いつもシナモンが私の膝の上にいた。
今も家に帰るとシナモンが寝床から顔を出す。
もうまともに歩く体力もないのに頑張って顔を出してくれる。
その後一通り用事を済ませてシナモンを抱っこする。
今日が最期なんじゃないかと、毎日そう思いながら夜を過ごす。
寝れない。シナモンの最後を見届けたいと強く願うからこそなかなか眠れない。



これからこの先、シナモンの闘病生活をつづるブログではなく、
死期を待つブログになります。





異変翌日
7月10日水曜、異変の翌日 
コオロギもふやかしたフードもいらないと言う。 
おかしい。確実におかしい。 
もしかしたら夜中に食べるかもしれないから餌を置いて寝た。


7月11日木曜、異変から2日目
朝起きて見たら餌がそのまま残っている。一つも口にしていない。水は少し飲んだみたい。
急いで近辺の病院を探す。
以前、目を付けていた病院は潰れてしまったので一から探さないといけない。
我が家の近くに3件動物病院があった。
問い合わせてみたがハリネズミは診れないと断られた。
誰か診れる人を紹介してほしいと懇願したが無理であった。
どうやら医師の経験値を高めるため「診てみましょうか」などと気軽に言わないようだ。
「診たことないから出来ない」ときっぱり断る。ある意味、正直者だ。
シナモンの体をチェックしている最中、おしっこをした。
いつも決められた場所でしかしないのだが。 
ティッシュでふきとる時、言葉を失った。黄色ではなく緑色だったのだ。
糞は固形で黒い色をしていたから、決して下痢ではない。尿が緑色なのだ。
ネットで調べてもそういった事例は出てこない。
ただひとつ、
癌などの病気にかかって投薬や手術の処置を受けた子で長生きしている子が見当たらない。
もう、病院を探すのはやめようとおもった。


7月12日金曜、異変から3日目
今日はコオロギを3匹食べ、ふやかしたキャットフードの水分を飲んだ。
糞あり(固形、黒色)尿は緑色。 トイレまで行けず、そのまま垂れ流したようだ。
体が汚れたので水で洗う。すると心臓の上あたりに大きな出来物を見つけた。 
ニキビのように赤く、芯?のような白いものが真ん中にある。
それ以外は右のわき腹に小さな赤い発疹のようなものがあった。


7月13日土曜、異変から4日目
排泄物で体が汚れたから水で洗う。尿は昨日より濃い緑になっている。 
後ろ足に新たな出来物があった。これは歩きにくそうだ。 
出来物ができたことでダニを疑ったが、針が抜けていないし痒がっている様子もフケもない。 
尿の色からして腎炎なのか。尿路に何か問題が起きたのは間違いなさそうだ。 
ネットで調べると、哺乳類が緑色の尿を出す原因として考えられるのは 
緑膿菌性つまり大腸菌の可能性が高いらしい。 
最近なにか変わったことがなかったかと頭をフル回転させて考えると
 ・・・あった。キャットフードを新しいものに替えていた。 
いつも買っているやつが売っていなくて、違うものを買ったんだ。 
高級スーパーに置いてあり、そしていつもより高いからきっといいヤツだろうと安易に選んだ。 
コレが原因なのではないだろうか。 
調べるとアメリカやカナダでキャットフードに大腸菌が付着している可能性があり自主回収しているとあった。 
可能性として、なくはない。 
そういえば夜中にやたらシナモンが鳴いてるな〜と思う日があったが、 
あれは新しいキャットフードにしてから鳴き始めたんじゃないだろうか。 
もちろんコオロギからの感染も否定できないが、キャットフードをあげるのはもうやめようと思う。 
シナモンが小さいころに一緒に聞いていたオルゴールのCDを流すと嬉しそうに布団から出てきた。 
その歩き方は、これまでに見たことがない歩き方だった。




異変
7月9日火曜日
いつものようにコオロギを一匹ずつ与えた後、ふやかしたキャットフードを置く。
数分後シナモンの様子を見に行くと、もう寝床に入っている。
どうやらキャットフードには口を付けてない様子。
あれ?どうしたんだろう。いつもならすぐ食べるのに…と不思議に思うが、
夜は長いしどうせ後で食べるだろうとあまり気にしなかった。

翌朝みると、ケージの中にキャットフードがばら撒かれていた。
個数を数えるとシナモンが口にしていないことが分かる。
嫌な胸騒ぎがしたが、今日の夜は食べるだろうと高を括っていた。
特定外来生物指定
ずっと気になっていることがあった。
ただ、ネットでワード検索しても全く引っかからない。
その時私が見たものを写真に収めていないし、
もしかしたら見間違えだったのかもしれない。

それは数か月前、成田国際空港からモスクワに戻る日のことだった。
出国ゲートを通ったその時、一枚のポスターが私の目に飛び込んできた。
いつもだったら気にせず通り過ぎるのに、今日はそれができない。
呆然と立ち尽くす。ヤバイ、動悸がする。いま、何が起きてるのか理解ができない。


ポスターに書かれていたこと、
それは「ヨツユビハリネズミ」が特定外来生物に指定されていたことだった。


飛行機の中は、これからどうしようということで頭がいっぱいだった。
写真つきで紹介されていたポスターにはナミハリネズミではなく
正真正銘ヨツユビハリネズミだった。
もう、シナモンを連れて帰れないということか。。。
寿命が先か、帰任が先か。
もう3年過ぎたし、いつ帰任になってもおかしくない。
シナモンの貰い手を探すか。。。いや、それは嫌だ。
最期まで私が面倒をみたい。


いつ帰任になるかわからない、シナモンの寿命もわからない、
先が全く見えないまま、ただただ時間だけが過ぎていき、
そして今。
シナモンが病気になりました。




ふんばれニッポン!!
 こんな大変なときにブログを書くのも・・・と気が引けるが投稿することにした。

ロシアでも日本の地震&原発関連ニュースは連日連夜トップニュースで放送される。
被災地、増える死者の数、レスキュー隊の懸命な救助作業・・・
そういった情報を目や耳にするたび、いたたまれない気持ちになる。

今まで『母国』ということを考えたことはなかった。
私はどちらかというと愛国心溢れるタイプではない。
単に日本で生まれ育ったというだけで、国籍や国なんてどうでもいいと思っていた。
が、今こういう状況になって日本が心配になった。この先一体どうなるんだろう、、、

先日ニュースで日本のスーパーが映し出された。
品切れで何も並んでいない商品棚、お一人様一点までと書かれた張り紙。
それを見たとき、誰もが食糧危機のニュースだと思ってしまうと思うのだが、
ロシア人レポーターは全く違うことを紹介していた。
『こんな品切れ品薄状態が続いても、価格が値上がりしていません』と。
そう、ここではこんな事態になったら通常価格の10倍以上に値上がりするのが普通。
ビジネスチャンスなのに、と新ロシア人は言うだろう。

こういう状況下においても人の足元を見た商売をしていない。
物騒な事件が多くても、日本が良い国だと言われるのがわかる気がする。
日本人でよかったな、と思った。





原発持ちこたえて〜!!!!!



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もうすぐ3月だけど今年初
何かとドタバタ忙しく・・・気付けばもう2月も終わり。早く春こないかなぁ〜

正月の一時帰国中、シナモンをペットホテルに預けました。
予想してたけどホテル探しは結構大変・・・
問い合わせの電話を掛けると、決まっていわれるこの言葉。
『基本的には犬と猫を預かるんだけど、内緒で私の家で預かってもいいわよ』
副業大好きロシア人。預かってくれるのは嬉しいけど、私は正規がいいんです〜!!
だってだって、内緒で預かるということは預けたという証拠が何も残らないということ
何かあったときの保証もなければ、
“そんなの知らない”とシナモンの存在自体消されてしまう可能性もある。
ここはロシア、最悪のケースを想定して動かないと。。。

と、そんなわけで難色極まりない状況だったのですが、最後の最後で見つけました!!
そこは動物病院が併設しているペットホテルで、契約書と送迎サービス付き。
こりゃ有り難い!!

シナモンの体重に変化がないからきちんと食事を与えてくれたみたいだし
外傷がなければ、他のハリネズミとすりかえられたりもしていない。
いいとこみつけた〜!!
帰任の際、動物病院の人と仲良くなっていたらスムーズに事がすすめるし、
ここシナモンの主治医にしよう(まだ病気になったことないけど・・・)


それでは2011年初、シナモンお披露目で〜す!!!!!



あぁ、、、
ボケ気味だけど通信状態の悪い中、頑張って加工したので許してください・・・。



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年の瀬です
今年の流行語大賞は「ゲゲゲの」なんですってね。
ここロシアでこんな話題が飛び出したので一部始終ご紹介。
以下、ロシア人との会話(もちろん和訳で)


「ねぇ、鬼太郎って名前の由来は何?」

「え?え?鬼太郎?えーと、キは鬼で、タローは昔よく男の子に名づけた名前なんだよ。」

「えー!!鬼なの?私、鬼太郎好きなんだけど、ちょっとショックだわー」

「あ、鬼太郎好きなんだ。小さい頃はアニメ見てたよ☆」

「わぁ☆鬼太郎アニメ?!それってやっぱりミュージカル調なの??」

「いや〜オープニングとエンディングは歌ですけど・・・・ミュージカル、えっ!ミュージカル!?」

「あれ?鬼太郎って音楽家だよね?」

「えぇ!!違うよ〜、鬼太郎は人間社会と妖怪社会を行き来できる少年だよ」

「妖怪???違う、私の知ってる鬼太郎と違うわっっ!!鬼太郎は音楽家なのよ!!」


・・・て、それ誰だよっ!!!!

結局誰のことか良くわからず、考えて考えて出した答え。
音楽家で鬼太郎・・・音楽家で鬼たろう・・・音楽家でキタロウ・・・

たぶん、浪花のモーツァルト「キダ・タロー」さんでしょう。
よし、すっきりした。これで気持ちよく新年迎えよう!!



以上、ゲゲゲのシナモンでした
(ちゃんちゃんこがふんどしみたいになっとります)

良いお年を〜



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